After an escape journey

旅行好きの医学生が徒然なるままに旅行記を公開します

ヨーロッパ周遊の旅(7) Day6 モン・サン・ミシェル

はじめに

 2019年3月に2週間ほどかけてヨーロッパを旅したときの日記を公開しています。どんなルートか,詳しく知りたい方は次の記事を参考にしてください。 

ken51417d.hateblo.jp

 6日目はモン・サン・ミシェル見物に費やした一日。朝にパリを出てモン・サン・ミシェルで1日を過ごし,夜のTGVで宴会を開きながらパリへ戻ってきます。

モン・サン・ミシェル

 日付は変わって7日目。チューリッヒへ向かうTGVの中から日記の続きを書くことにしよう。6日目はモン・サン・ミシェル観光だけの比較的緩めの一日。とはいえ朝8時のTGVアサインされてしまったから早めに宿を発たなくては。6時過ぎに起床して。7時前には地下鉄に乗る。昨日工事かなんかで運休していた地下鉄も今日はちゃんと動いているみたい。4号線に揺られること20分くらい,長いなと思い始めた頃にモンパルナスに到着。朝ごはんをスーパーだか売店だか分からないフランスらしい店で購入。パンは昨日買ったものをたくさん持ってきているから,€2.5のサラダを購入。

 ホームに上がって19両目まで歩く。サンマロ行きの列車。途中でオリックスファンのおかしな日本人に日本語話せますかって絡まれたっけ。20両近くに相当する距離を歩くのは遠かった。バルセロナから乗ったのとは違うスタイルのTGVに乗車。今どこにいるかわかる便利なモニターはないけれど,オレンジと紫を基調とした日本にはないお洒落な車内空間。旅の楽しみの一つは乗る列車の車内を楽しむことにある。

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暖色系のデザインを上手くまとめるのは本当に感心

 反対側の列車が動いているのかと錯覚するほど静かな発車。朝ごはんにサラダとパンを食べて,日記を書いたりうたた寝したり。昨日と同じくヨーロッパの田園風景の中を新幹線ばりのスピードで駆け抜けていく。パリは東京都心と同じくらいの規模があるはずだけれど,10分も走れば一気に田舎になる。今はチューリッヒに向かうTGVが発車してから15分くらい経った頃だけれど,本当にどこまでも緑で所々家が点在する景色が広がっている。

 2時間弱の乗車でレンヌに到着。レンヌという街は聞いたことがあるような気もする。レンヌを出ると速度を落として,ドルドブルターニュへ。フランスの田舎の小さな街。ここからメルセデスのバスに乗り込んでモン・サン・ミシェルの入口へ向かう。メルセデスのバスというだけでも驚く。日本の観光バスより大きくて,シートピッチも広い。座席は薄いけれど,ホールド感に関しては悪くない。青を基調としたシートもヨーロッパらしい整ったデザインで格好良い。

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メルセデスのバス

モン・サン・ミシェルで過ごす一日

 30分ほどの乗車でモン・サン・ミシェルのすぐ近くまで到着。ほとんど眠っていたから書き記すこともないが,ラウンドアバウトは直線の走行性を著しく悪くすることを痛感した。日本でラウンドアバウトが導入されたという話を聞くと便利そうだなと思っていたけれど,直進する際に毎回速度を落とさなければならないのは面倒臭そう。ここから可愛げのある無料バスに乗り込んでモン・サン・ミシェルそのものへ向かう。どこにモン・サン・ミシェルがあるのだろうと想像を膨らませていると,ラムサールに登録されているという湿地帯が見えてくる。遠くにはモン・サン・ミシェルが。これがモン・サン・ミシェルか。遠景は本当に美しい。修道院に始まり,要塞になって監獄になった歴史を持つモン・サン・ミシェルであるが,要塞としてみると迫力が一段と増すような気もする。湿地帯を超えて干潟のようになっているところには橋がかかっていて,橋の上で停車。橋に降りてしばし写真撮影。折角だから干潟にも降りてみる。スニーカーで入って大丈夫なのかと心配したけれどそれは杞憂に過ぎず,ズボッと沈み込む部分は限られている。それ以外のところは粘土の上を歩いているイメージ。

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 干潟を楽しんでからモン・サン・ミシェルの内部へ。月曜だからか,まだツアー客がパリから到着していないのか,修道院への参道は空いている。空いているとおもちゃのような街はより一層美しい。目に付く道を適当に選んで山を登っていく。人を怖がらないカモメがたくさん空を舞う。カモメは遠目に見るぶんには小さいけれど,目の前にいると結構大きくて怖さすら感じる。展望台なんかに寄りつつ登ること数分,修道院の入り口に到着。修道院に入るか謎に迷った末に入場。

 入場してすぐに現れるのは大きな階段。フランスの遠足キッズ(多分)たちが鉄格子越しに助けてくれ,Help me!と言っていた。世界共通の遊び方。ゴシック様式が何なのかよく分からないけれど,バルセロナで見たゴシック地区の建物に似ている感じはあった。展望台で休憩して,軽い解説のある部屋を抜けて礼拝堂のようなところへ。モン・サン・ミシェルがどの時代にどんな形をしていたのか,という模型が中々に興味深かった。あの見慣れた形になったのは割と最近のことのようである。

 礼拝堂の中で呑気にいつも通りB’zのOceanを歌っているとツアーガイドに怒られる。お前の方が煩いだろうが,とキレそうになる。そのあとは中庭のようなところへ。遥か昔の人々が,どうやってこんな離島のこんな高いところに石造りの建物を作ったのか不思議でならない。その後もいくつかの施設を見て外へ。途中にあった荷物を引き上げる主導のエレベーターのようなものしか記憶にない。出口のお土産売り場にあった小人用のショットグラスと€0札が印象的だった。

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どうしたらこんな庭を離島の山の上につくれるのか

 外に出てフランスの海の景色を楽しみつつ,とは言っても曇っていたから微妙ではあったけれど,参道に降りる。ツアー客がパリからやってきたのか,ひどい混雑。多少雨も降っていて寒かったから適当なお店に入店。しばしここで時間を潰すこととする。サンドイッチのお店だけれど,なにせよ言葉が分からないものだから何にするか決めるのに時間がかかる。パニーニを注文。フランスパンのサンドイッチをホットサンドにしたものとでも言えば良いか。イタリアの料理らしい。まあここも普通に美味しい。店に入ってきたGUCCIで身を固めた無能そうな日本人がシュガーを塩と言っていたのは流石に頭悪くないか。

 モン・サン・ミシェルの見所の少なさにちょっと不満を抱えつつも,一度レンヌ行きのバス乗り場まで戻ってみることにする。案内所のようなところで翌日以降の計画を話し合う。1時間くらい。こんな時間があっても良い。偶然1718に満潮になるという表示を見つけたからもう一度モン・サン・ミシェルに戻ることにする。雨はあがりかけているけれど,以前寒い。馬車用の客車も目に入った。

 流石にこんな時間にモン・サン・ミシェルにいく人は少ないようで,バスはさっきまでと打って変わってガラガラ。昼と同じ場所で降りて同じようにモン・サン・ミシェルを眺めるも水位は大して変わらないように見える。残念。おそらくだけれど,モン・サン・ミシェルは夕方やってきて夕日を見て一泊して,朝もう一度みるくらいでちょうどいい気がする。またいつか,夕暮れのモン・サン・ミシェルを見にこられるといいな。遠景は本当に美しいから。

 無料のバスでとんぼ返りして,今度はお土産を売っている店に寄る。日本人の店員がいて驚いた。ちょっとしたお土産を買って,パンを買って退散。シードルが有名なところらしく,同行者はシードルをがっつり買っていた。

シードルをTGV

 日も暮れかけてきて,寒い中レンヌ行きのバスを待つ。行きと同じバス。かかっている音楽が夕暮れ時をイメージしているものになっていたのかもしれない。騒いでいるのは我々くらい。仄暗いフランスの道を走ること1時間,レンヌ駅に到着。

 レンヌからはお待ちかねのTGV inOuiに乗車。流石に寒すぎるから一度ホームに降りたものの,コンコースに戻ってきて発車の時を待つ。レンヌは日本でいうと盛岡とか福島みたいな感じで,TGV同士の連結を見ることもできた。日本よりも大雑把。

 乗り込むと我々の座席は向かい合わせの4人掛けボックスシートTGVで宴会ができることに興奮を抑えられない。持ち合わせたシードル2本とパン,バターとロータスのチョコレートスプレッド,サラミでパリまでの飲み会がスタート。Alc2%のシードルはりんごジュースみたいだけれど,よくよく匂いを嗅いでみるとワインのような渋さを感じる。これは美味しいけれど,日本で頼もうとすると値段が5倍とかになってしまうのが残念。フランスは物価が概して高いけれど,シードルは€3.7。安い。

 TGV飲み会が終わると同時くらいにモンパルナス駅に到着。駅前のモノプリというスーパーでしばらくの水と食料を調達。2個買うと50%オフになると思い込んで何でも二つ買ってしまった。正確には2個買うと2個目が50%オフだと思う。こういう失敗もスーパーならそこまで痛くないからよしとしよう。12個入りのパン,ボルビック,ハム,ココナッツウォーターをそれぞれ2個ずつ購入。1500円くらい。

 朝来た道を引き返して宿へ。ここに3泊もしたのか,とか感慨に耽りながら翌日チューリッヒへ向けて移動することを考えて荷物整理。荷物を一気に広げる癖をなんとかしないと片付けが無限に大変。翌日は特に予定もないから,結構遅めの就寝。1時前くらいまで起きていたと思う。