After an escape journey

旅行好きの医学生が徒然なるままに旅行記を公開します

東南アジア縦断旅行(2) Day2 アンコールワット観光

アンコールワットを観光

 ホテルはやたら豪華で,ウェルカムドリンクに果物までついていた。想像以上に豪華なホテルで嬉しい。とりあえず荷物を置いて,着替えて帽子をかぶって外へ。空港からホテルまでお世話になったトゥクトゥクに再度乗り込みアンコールツアーに出発。

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ウェルカムドリンクがついてきた

 まずはチケットを購入するところへ。37ドルはカンボジアの物価を考えればかなり高いけれど,保全の費用とかが含まれていると思えばそんなもんなんだろう。JCBが使えたのが割と嬉しい。気を取り直してアンコールワットへ。森の中の一本道をトゥクトゥクで走る。猿がいたり,ハンモックで休んでいる人がいたり,ほのぼのした感じがなんとも良い。池の手前で左折,池に沿って進んでいくとアンコールワットの入り口が見えてくる。お堀のような池を渡っていよいよアンコールワットとご対面。池に浮いているブロックの感覚がどこか懐かしい。門を抜けてもアンコールワットはずいぶん遠い。赤色の土が熱帯に来たことを思わせる。初めて赤土を見て少し昂る。ぼちぼち歩いてアンコールワットの内部へ。想像の何倍も大きい遺跡だった。中の回廊のようなところはテンプルランに出てきそうな感じ。壁画はエジプトとかとの違いがよくわからないけれど,こういった類の遺跡を見るのは初めてだから割と記憶に残っている。メキシコとかエジプトに行かなければ見ることができないと思っていたが,案外近くに存在していた。アンコールワット内部を一通り見てからは全景をもう一度見ることにする。

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 続いてアンコールトムという遺跡へ。アンコールトム自体はアンコールワットよりもだいぶ大きいらしいのだが,今回はその中の一つのベイヨンにお邪魔する。岩岩しい。遺跡感がある。ドライバーがnice templeと言っていたけど,まさにそう。写真を見ればわかるはず。外から見たときの荘厳さがアンコールワット以上かもしれない。

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旅の楽しみ

 そして最後の遺跡,タプロームへ。西門から東門へまっすぐ歩くように言われた。テンプルランの元ネタか,といえば伝わるか。赤土の道をひたすら歩く。地雷の被害者が演奏していて,カンボジアは行きたくないと小学生の頃に思ったのを思い出す。小学校の国語の教科書か何かで読んで,カンボジアは地雷だらけだと思い込んでいたから。そして中心らしきところに来る。岩壁が倒壊していて行く手を阻まれる。回り道をして東門に向けて歩いている途中,旅らしい出会いが。台湾の女性に,トゥクトゥクで一緒に帰れないかと声をかけられる。困ることはないのでI’m OKとだけ言ってドライバーと交渉してもらう。すごいなあ。僕の知る台湾人はみんな英語がお上手。トゥクトゥクでホテルまで。夜ご飯どこに行けばいいかと尋ねたら,一緒にどうと言われたので7時にまた待ち合わせることにする。

 7時に集合場所へ行ってみたけれどお目当てのお店は休みだったから,別のお店へ散歩。途中で停電もあった。東南アジア感満載。彼女はビーガンらしく,今日のディナーはベジタリアンのお店へ。Kor Koとビールで1,2時間,英語縛りで過ごす。日本語と中国語の違いとか,今まで行った国の話とか,なんでビーガンになったのかとか,そんなことを話した幸せな時間。一人旅のイベント発生条件がわからない。帰りは嫌だ嫌だと言うも,Pub Streetでクモとサソリを食べる流れに。エビの尻尾を食べているみたい。ゲテモノ感はないけれど,好んで食べたいものではない。そしてスーパーに寄って解散。彼女が日本に来るか,僕が台北に行くか。またの再会を願って今日は終わり。

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あっち系の街らしいけれど,女の人といると絡まれずに住む

 

東南アジア縦断旅行(1) Day1&Day2途中まで

 もう一年も前のことになりますが、東南アジア縦断旅行に出かけました。ふと日記を読んでみたら旅の記憶が蘇ってきたので、少しずつまとめていきたいと思います。

 

Day1

 夜旅に出るのは最高である。日本にもまだブルートレインが走っていた頃,仕事終わりの世界を横目に見ながら非日常へ飛び込んでいった過去を思い出す。そんなことを考えながら今日の朝は荒川の河川敷で野球を,昼は家で昼寝をしつつ旅立ちを待っていた。

 そして夜を迎える。次に日が昇るときにはどこかの海の上か,はたまたシンガポールにいると思うと旅に出るのだなあと少し実感が湧いてくる。2215くらいに家を出た。いつもの最寄り駅までの道だけど,いよいよ東南アジアへの旅が始まるとテンションが上がる。これからの見えない旅路を想像しながら,この旅の間聴き続けると決めたflumpoolの音楽を聴いていると,より一層心が浮ついてくる。

 羽田空港に着いて,ダッシュでSQのカウンターへ。誕生日だから何かあるかなと少し期待しつつ向かう。後方の座席を指定していたにもかかわらず,バルクヘッド席に移動することになった。前の方の席になったのは誕生日が関係しているのか,どうなんだろう。

 出国後に最低限のマレーシア・リンギットシンガポールドルを両替して,水を買って今に至る。109番ゲート。前に香港に行った時に使ったゲートの前で日記を書く。どんな旅になるのか,ほぼノープランだけれど,もう少し時間欲しいけれど,無理しない範囲で楽しみたい。

 

Day2

 0230の出発まで結局ほぼ眠れずに,体力大丈夫なのかこれとか思いながら過ごしていた。じわじわ時間は過ぎて,0200にはボーディング。41Gをアサインされたのは本当にありがたかった。足をどんなに伸ばしても壁に当たることがない。チャンギのT2でシェムリアップ行きの飛行機を待ちながらこの日記を書いているところだけれど,疲労は想像の半分以下。今日中にアンコールワットにだって行けると思うくらいには元気。

 席に着いてからはできることもないので,とりあえず目を瞑ってみる。離陸までに眠れることを少し期待していたが,そこまで疲れ切っているわけでもないし興奮しているし,眠れるわけがない。

 離陸後しばらくすると軽くリフレッシュメントと称した寿司が配られて,ついでにシンガポールスリングを頼む。ここからが辛い時間だった。台風のせいなのか,1時間くらい揺れ続けていた。紀伊半島の沖から沖縄の沖くらいまで揺れること,トイレを待ち続けること1時間。日本時間の4時を過ぎる頃だったと思う。そこから諦めの睡眠。3時間半くらい眠ることができた。

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20歳になって最初のお酒はシンガポール・スリング

 目が覚めた頃にはコタキナバルの近く。いつか行ってみたいところ。機内で酒を飲んだせいか物凄くムカムカする目覚めだった。起きた瞬間朝ごはんで,寝ぼけて全力でコミュ障になっていた。Japanese Styleのそぼろ丼を注文。朝にしてはちょっと重かった気もするが,機内でこんなに美味しい日本食が食べられれば大満足。暫く純日本食とはお別れだろうから。どうやら夜が明けてきた頃合いで,所々から朝日が差し込む。しばし仮眠。諦めの仮眠。そしていつの間にか着陸。暑そう。

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朝ごはん

 T3からスカイトレインを乗り継いでT2へ。チャンギ空港内で使える20ドルのクーポンはもらえず。残念。どうやらシェムリアップからシンガポールもSQでないとダメらしい。顔を洗って,歯を磨いて,F52ゲートの前で搭乗を待つ。さあ,Silk Airでいざシェムリアップへ。

 乗り込んで25Fへ。すでにDとEの人がいたから,申し訳無さげに席へ通してもらう。25Eに座っていたオーストラリアのおばさんにいきなりYou are luckyと言われてなんだこいつと思った。でも実際のところI was lucky。オーストラリアのブリスベンから来たこと,カンボジアに鳥を見に行くこと,日本には本州と冬の北海道に行ったことがあること。などなど話して離陸を待つ。久しぶりに英語を勉強していて良かったと感じたし,もっと喋れるようになりたい。離陸してマレーシアの上を少し飛んで海へ。機内食が配られる。東南アジアを感じる昼ご飯で,昔乗ったキャセイドラゴンの機内食を思い出す。昼ごはんを食べ終えて密林の上を飛ぶとあっという間にシェムリアップに着陸。

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Silk Air機内食

 シェムリアップは沖留めで,しかも日本の真夏の暑さ。蒸していて溶けるような暑さ。とりあえず建物の中に入ってVISAを取得。初めてだからよくわからなかったけれど,見よう見まねで列に並んで30ドルと写真,書類を提出。少し待ってVISAが添付されたパスポートが戻ってきた。パスポートコントロール,バゲージクレームを通って空港の外へ。空港のタクシー手配センターみたいなところで今日一日お世話になるトゥクトゥクをお願いする。初めてのトゥクトゥク,暑い中にも入ってくる風の気持ち良いこと。旅をしている感じがしたこと。東南アジアに来たことをひしひしと感じてきた。走ること20分くらい,ホテルに到着。カンボジアベトナムをマイルドにした感じがした。

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トゥクトゥクに揺られて

 

ヨーロッパ周遊の旅(7) Day6 モン・サン・ミシェル

はじめに

 2019年3月に2週間ほどかけてヨーロッパを旅したときの日記を公開しています。どんなルートか,詳しく知りたい方は次の記事を参考にしてください。 

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 6日目はモン・サン・ミシェル見物に費やした一日。朝にパリを出てモン・サン・ミシェルで1日を過ごし,夜のTGVで宴会を開きながらパリへ戻ってきます。

モン・サン・ミシェル

 日付は変わって7日目。チューリッヒへ向かうTGVの中から日記の続きを書くことにしよう。6日目はモン・サン・ミシェル観光だけの比較的緩めの一日。とはいえ朝8時のTGVアサインされてしまったから早めに宿を発たなくては。6時過ぎに起床して。7時前には地下鉄に乗る。昨日工事かなんかで運休していた地下鉄も今日はちゃんと動いているみたい。4号線に揺られること20分くらい,長いなと思い始めた頃にモンパルナスに到着。朝ごはんをスーパーだか売店だか分からないフランスらしい店で購入。パンは昨日買ったものをたくさん持ってきているから,€2.5のサラダを購入。

 ホームに上がって19両目まで歩く。サンマロ行きの列車。途中でオリックスファンのおかしな日本人に日本語話せますかって絡まれたっけ。20両近くに相当する距離を歩くのは遠かった。バルセロナから乗ったのとは違うスタイルのTGVに乗車。今どこにいるかわかる便利なモニターはないけれど,オレンジと紫を基調とした日本にはないお洒落な車内空間。旅の楽しみの一つは乗る列車の車内を楽しむことにある。

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暖色系のデザインを上手くまとめるのは本当に感心

 反対側の列車が動いているのかと錯覚するほど静かな発車。朝ごはんにサラダとパンを食べて,日記を書いたりうたた寝したり。昨日と同じくヨーロッパの田園風景の中を新幹線ばりのスピードで駆け抜けていく。パリは東京都心と同じくらいの規模があるはずだけれど,10分も走れば一気に田舎になる。今はチューリッヒに向かうTGVが発車してから15分くらい経った頃だけれど,本当にどこまでも緑で所々家が点在する景色が広がっている。

 2時間弱の乗車でレンヌに到着。レンヌという街は聞いたことがあるような気もする。レンヌを出ると速度を落として,ドルドブルターニュへ。フランスの田舎の小さな街。ここからメルセデスのバスに乗り込んでモン・サン・ミシェルの入口へ向かう。メルセデスのバスというだけでも驚く。日本の観光バスより大きくて,シートピッチも広い。座席は薄いけれど,ホールド感に関しては悪くない。青を基調としたシートもヨーロッパらしい整ったデザインで格好良い。

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メルセデスのバス

モン・サン・ミシェルで過ごす一日

 30分ほどの乗車でモン・サン・ミシェルのすぐ近くまで到着。ほとんど眠っていたから書き記すこともないが,ラウンドアバウトは直線の走行性を著しく悪くすることを痛感した。日本でラウンドアバウトが導入されたという話を聞くと便利そうだなと思っていたけれど,直進する際に毎回速度を落とさなければならないのは面倒臭そう。ここから可愛げのある無料バスに乗り込んでモン・サン・ミシェルそのものへ向かう。どこにモン・サン・ミシェルがあるのだろうと想像を膨らませていると,ラムサールに登録されているという湿地帯が見えてくる。遠くにはモン・サン・ミシェルが。これがモン・サン・ミシェルか。遠景は本当に美しい。修道院に始まり,要塞になって監獄になった歴史を持つモン・サン・ミシェルであるが,要塞としてみると迫力が一段と増すような気もする。湿地帯を超えて干潟のようになっているところには橋がかかっていて,橋の上で停車。橋に降りてしばし写真撮影。折角だから干潟にも降りてみる。スニーカーで入って大丈夫なのかと心配したけれどそれは杞憂に過ぎず,ズボッと沈み込む部分は限られている。それ以外のところは粘土の上を歩いているイメージ。

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 干潟を楽しんでからモン・サン・ミシェルの内部へ。月曜だからか,まだツアー客がパリから到着していないのか,修道院への参道は空いている。空いているとおもちゃのような街はより一層美しい。目に付く道を適当に選んで山を登っていく。人を怖がらないカモメがたくさん空を舞う。カモメは遠目に見るぶんには小さいけれど,目の前にいると結構大きくて怖さすら感じる。展望台なんかに寄りつつ登ること数分,修道院の入り口に到着。修道院に入るか謎に迷った末に入場。

 入場してすぐに現れるのは大きな階段。フランスの遠足キッズ(多分)たちが鉄格子越しに助けてくれ,Help me!と言っていた。世界共通の遊び方。ゴシック様式が何なのかよく分からないけれど,バルセロナで見たゴシック地区の建物に似ている感じはあった。展望台で休憩して,軽い解説のある部屋を抜けて礼拝堂のようなところへ。モン・サン・ミシェルがどの時代にどんな形をしていたのか,という模型が中々に興味深かった。あの見慣れた形になったのは割と最近のことのようである。

 礼拝堂の中で呑気にいつも通りB’zのOceanを歌っているとツアーガイドに怒られる。お前の方が煩いだろうが,とキレそうになる。そのあとは中庭のようなところへ。遥か昔の人々が,どうやってこんな離島のこんな高いところに石造りの建物を作ったのか不思議でならない。その後もいくつかの施設を見て外へ。途中にあった荷物を引き上げる主導のエレベーターのようなものしか記憶にない。出口のお土産売り場にあった小人用のショットグラスと€0札が印象的だった。

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どうしたらこんな庭を離島の山の上につくれるのか

 外に出てフランスの海の景色を楽しみつつ,とは言っても曇っていたから微妙ではあったけれど,参道に降りる。ツアー客がパリからやってきたのか,ひどい混雑。多少雨も降っていて寒かったから適当なお店に入店。しばしここで時間を潰すこととする。サンドイッチのお店だけれど,なにせよ言葉が分からないものだから何にするか決めるのに時間がかかる。パニーニを注文。フランスパンのサンドイッチをホットサンドにしたものとでも言えば良いか。イタリアの料理らしい。まあここも普通に美味しい。店に入ってきたGUCCIで身を固めた無能そうな日本人がシュガーを塩と言っていたのは流石に頭悪くないか。

 モン・サン・ミシェルの見所の少なさにちょっと不満を抱えつつも,一度レンヌ行きのバス乗り場まで戻ってみることにする。案内所のようなところで翌日以降の計画を話し合う。1時間くらい。こんな時間があっても良い。偶然1718に満潮になるという表示を見つけたからもう一度モン・サン・ミシェルに戻ることにする。雨はあがりかけているけれど,以前寒い。馬車用の客車も目に入った。

 流石にこんな時間にモン・サン・ミシェルにいく人は少ないようで,バスはさっきまでと打って変わってガラガラ。昼と同じ場所で降りて同じようにモン・サン・ミシェルを眺めるも水位は大して変わらないように見える。残念。おそらくだけれど,モン・サン・ミシェルは夕方やってきて夕日を見て一泊して,朝もう一度みるくらいでちょうどいい気がする。またいつか,夕暮れのモン・サン・ミシェルを見にこられるといいな。遠景は本当に美しいから。

 無料のバスでとんぼ返りして,今度はお土産を売っている店に寄る。日本人の店員がいて驚いた。ちょっとしたお土産を買って,パンを買って退散。シードルが有名なところらしく,同行者はシードルをがっつり買っていた。

シードルをTGV

 日も暮れかけてきて,寒い中レンヌ行きのバスを待つ。行きと同じバス。かかっている音楽が夕暮れ時をイメージしているものになっていたのかもしれない。騒いでいるのは我々くらい。仄暗いフランスの道を走ること1時間,レンヌ駅に到着。

 レンヌからはお待ちかねのTGV inOuiに乗車。流石に寒すぎるから一度ホームに降りたものの,コンコースに戻ってきて発車の時を待つ。レンヌは日本でいうと盛岡とか福島みたいな感じで,TGV同士の連結を見ることもできた。日本よりも大雑把。

 乗り込むと我々の座席は向かい合わせの4人掛けボックスシートTGVで宴会ができることに興奮を抑えられない。持ち合わせたシードル2本とパン,バターとロータスのチョコレートスプレッド,サラミでパリまでの飲み会がスタート。Alc2%のシードルはりんごジュースみたいだけれど,よくよく匂いを嗅いでみるとワインのような渋さを感じる。これは美味しいけれど,日本で頼もうとすると値段が5倍とかになってしまうのが残念。フランスは物価が概して高いけれど,シードルは€3.7。安い。

 TGV飲み会が終わると同時くらいにモンパルナス駅に到着。駅前のモノプリというスーパーでしばらくの水と食料を調達。2個買うと50%オフになると思い込んで何でも二つ買ってしまった。正確には2個買うと2個目が50%オフだと思う。こういう失敗もスーパーならそこまで痛くないからよしとしよう。12個入りのパン,ボルビック,ハム,ココナッツウォーターをそれぞれ2個ずつ購入。1500円くらい。

 朝来た道を引き返して宿へ。ここに3泊もしたのか,とか感慨に耽りながら翌日チューリッヒへ向けて移動することを考えて荷物整理。荷物を一気に広げる癖をなんとかしないと片付けが無限に大変。翌日は特に予定もないから,結構遅めの就寝。1時前くらいまで起きていたと思う。

ヨーロッパ周遊の旅(6) Day5 ヴェルサイユ宮殿とルーブル美術館

 6日目,モン・サン・ミシェルに向かうTGVの中で5日目の日記を書くことにしよう。相変わらずTGV窓の外にはヨーロッパのどこまでも続く畑の景色が広がっている。

 今日はまさかのヴェルサイユ宮殿ルーブル美術館に行くことに。ヴェルサイユ宮殿だけでもしんどいのに,全部見るには一週間かかるとまで言われるルーブル美術館まで一日で巡る弾丸ツアーになってしまった。まずはヴェルサイユ宮殿を目指して少々の電車旅に出かける。ホテルでパンを朝ごはんにして,パリ北駅を目指して出発。モン・サン・ミシェル行きの切符を予約しようとうするけれど,日本のみどりの窓口に相当するところは日曜だからか9時からの営業。諦めてモンパルナス駅へ向かうことにする。休みの日に使える地下鉄の1日乗車券を€4.1で購入。地下鉄の4号線に乗ろうとするも工事で乗れず。地下鉄を日中も運休にして工事を進めるのは頭がいいのだか悪いのだか,良いシステムなのか悪いシステムなのかわからない。仕方なくRERのB線でPort Royal駅まで出てそこから徒歩で。ルクセンブルク駅なんてところがあって,パリの駅名のつけ方がどうなっているのか少し気になる。綺麗な公園があるところだとか。Port Royalから飲食店の多いパリの朝を歩いていく。パンの美味しい匂いは飯テロってやつか。日本食の店も多い。

 モンパルナスからヴェルサイユ宮殿への電車に乗ろうとするも,まだ30分くらいこないようなので,ここでモン・サン・ミシェル行きの切符を購入することに。フランス訛りの強い英語で,正直何言っているかわからなかったけれど無事に切符を購入。€43はTGVでの移動距離を考えれば安い。切符を買い終えた頃には950とかで,電車に乗るにはちょうど良い時間。TGVの脇にある一般電車のホームから乗り込む。

 日本でいうと,湘南新宿ライングリーン車のような車両。座席はそこまで良いものではないけれど,それこそベンチみたいな感じだけれど,二階建てで屋根が丸くなっているところがどこか似ていた。遠目には日本の景色とそんなに変わらないパリの郊外を駆け抜けること15分。Versailles Chantiers駅に到着。朝ごはんをろくに食べていないので,ここでも朝ごはんに。駅の売店でクロワッサンを€1で購入。これがめちゃくちゃうまい。パリっとしているとか,あったかいとか,そういうことはないのに生地がしっかりしているからか,原料がいいのかとてもいい味がする。適当に寄った店でこんなに美味しいものに出会えるのがパリのいいところなのかもしれない。ここから徒歩でヴェルサイユ宮殿へ。相変わらずここも路駐が多い街。車のメーカーをいちいち呟きながら進む。ずいぶん長いこと歩くとヴェルサイユ宮殿に続く行幸通りのような通りと交差。黄色い花の咲く並木道の間に道路があって,その奥にヴェルサイユ宮殿がうっすらと見える。金色。豪華絢爛。ヨーロッパは煌びやかな印象があまりなかっただけに衝撃的といえば衝撃的。僕の中で金はどちらかといえばアジアのイメージ。

 荷物の目視での検査を終えて入場。インフォメーションカウンターでチケットの情報を聞いてそのあとの券売機で購入。€20。オーディオガイドを聞いて,いよいよ中へ。適当な入り口,目についた入り口から中に入ったのだが,結果としては正解だったよう。階段を登って一個上のフロアへ。天井の装飾が派手。美術館にあるような絵が天井中に広がっているとでも言えば良いか。そんな景色が永遠と広がっていて,すげーと語彙力のない頭で感じているといつの間にか鏡の多いところへ。パーティーなんかを開くホールだとか。ここは煌びやか。そこを抜けて王の寝室とか食堂とかを見るともうおしまい。一通り絵を見て外へ。庭園に向かおうとするも強風で入れない。€2無駄にしたと思いつつも諦めて帰路へ。

 来たのと同じ道を引き返して駅へ。また同じ売店で今度はサンドイッチを購入。ホームへ少し余裕を持って降りるも,時間にいい加減なパリの列車は目の前で行ってしまう。昼ご飯を食べつつ次の列車を待つ。多分行きと同じスタイルの列車。黒人のキッズと仲良くなって楽しい時間だった。

 モンパルナスについて,ここからルーブル美術館へ向かう。4号線でルーブルの近くまで行ってそこから徒歩。スリの集団に囲まれたけれど,3対3だったからか恐怖はそんなになかった。むしろ楽しいくらい。日本語だけを話して抵抗。大声を出さずとも振り切れた。

 いくつも同じ形,同じ大きさの建物が続く道を歩く。左手にはルーブル美術館。少し雨が降っている。雨の中ルーブル美術館の建物の一つを横切って,あの有名なピラミッドの見えるところへ。ピラミッドがルーブル美術館の入り口。荷物検査をしてチケット売り場へ。並ぶと書いてあったけれど,5分も並ばなかったと思う。

 いよいよ中へ。美術館は上から見るのが好きだからとりあえず一番上の2階へ。プラスマイナス2階と0階があって全部で5層からなる美術館。2階は絵のフロア。最初に見たのはここ2,300年の間に書かれた絵で,写真のようにリアルに書かれた絵も多かった。Vernet Josephの風景画が気に入った。これからルーブルに行く人がいれば,通ぶって進めてみたいような気もする。2階の絵を最初はいちいち眺めて,その度に休憩して回っていたが嫌になるくらい広すぎて到底回ることはできない。半分を過ぎたあたりからペースアップしたものの,最大でも全体の4分の1,おそらくそれよりももっと小さい範囲を回るだけでも2時間を要した。広すぎるし疲れるし,ということでここからはピンポイントに絞って回ることに。有名どころだけどモナリザとミロのヴィーナスは見たい。あとは偶然出会ったサモトラケのニケ民衆を導く自由の女神

 まずモナリザを見に行こうとすると,途中にサモトラケのニケが。顔が欠けてしまって翼を具した彫刻の迫力たるや。少し進むとモナリザの部屋が。一つの部屋にモナリザだけ。人もたくさん集まっているからすぐにそれとわかる。何度も本,テレビ,スマホで目にしてきたモナリザだけれど,本物はこれが本物かーという印象。絵が綺麗というよりは,達成感が大きい。ダヴィンチが書いたというくらいしかモナリザについて詳しいことは何も知らないから,後で調べるとでもしよう。

 ミロのヴィーナスに行こうとする途中で民衆を導く自由の女神に遭遇。教科書で見たことがある気もするけど,定かでない。どうやらすごい絵らしい。カフェで休みたいね,とか行ってカフェに向かっていたら偶然発見。ルーブルのカフェで休憩できたらどれだけ素晴らしいかは想像に容易だけれど,同じことを考える人は多いようで大変な混雑。諦める。

 そのあとにルーブルのお土産屋さんがあったから寄ってみるも欲しいものは見つからない。欲しいものがないのに買う必要はないから,ウィンドウショッピングだけで退散。バッグはいいなと思いつつも,生地が薄くて不安だったり,色が気に入らなかったりして残念。パリの土産はまた別のところで買えばいいや。

 気を取り直してミロのヴィーナスへ。ワンフロア下に降りてしばらく進むとミロのヴィーナスが。これも見慣れたイメージだけれど,実物は思っていたよりも大きいし,迫力がある。人が疎らな時間に来られて良かった。

 最後にイスラムの美術が見たかったからさらにワンフロア降りる。構内図が全く分からなくて,エジプトの美術を見ることに。スフィンクスのコピーだとか,ルーブル城の遺跡だとかそんなものが見られて嬉しいけれどいつまでたってもイスラムの美術室にたどり着かない。諦めて一度入り口から外に出てしまう。入口に戻ると流石にわかりやすい。再入場して,階段を登って左に曲がるとイスラムの美術品の数々。ヨーロッパでイスラム文化に触れるのはちょっと意味がわからないところもあるけれど,この前マレーシアで触れてというもののイスラムがちょっとしたマイブーム。独特の世界観がたまらない。展示室の空気もどことなく違った気がする。ヨーロッパのトーンではあるけれど,石造りではなくてガラス張りで天井は波打ったテントのようなものに覆われている。

 イスラムの食器,武器,絨毯,金属の何かなどなど多様な美術品を見つつ,トリックアート美術館みたいな感じで遊びつつ進む。こういうのを見てしまうとイスラム文化圏に行きたくなってしまうではないか。このころ1730くらい。さて,そろそろルーブルを後にする時がきたようである。

 安くて美味しいレストランが1.5kmほど離れたところにあるとのことなので,徒歩で向かう。途中のおしゃれなスーパーでクロワッサンとヨーグルトを購入。パリっぽい買い物が出来たかと思って少し嬉しいのも事実。ここから少し北に向かうとレストランが。途中にあったからあげやの誘惑にそそられるけれど我慢。

 ハードロックカフェが近くにあることを確認して少し進むとシャルティエが。本日のレストラン。外観から良さげなレストランであることがわかる。手動で動かす回転扉を通って店内へ。店内の雰囲気も良い。席数も多い。フランス語はよく分からないから,何を注文すれば良いか決めかねる。コースでも良いかと思われたけれど,別々に注文。前菜にアボカドとエビのソース。とろけるようなアボカドにエビのソースはマッチする。空腹も相まって美味しい。メインは鴨肉のコンフィ。柔らかさに脱帽。コンフィという調理法を知るに至った。感謝。デザートはアイスクリームと焼きリンゴ。今でも鮮明に焼きリンゴとアイスの合わさった味を思い出せるような気がする。飲み物はビールのKronenbourg。疲れているときの一口目は至福のひととき。クセのない日本のビールに似ていた。

 店をあとにして,近くのハードロックカフェでParisと書かれたTシャツを購入。ここから地下鉄に乗ってエッフェル塔を見に行く。凱旋門の最寄り駅を通ったから,昨日と同じく今日も地上に出てみる。昨日あの惨状を見てしまったからかなりトラウマになっていて,地上に出ることを渋りに渋った。しかしながらそれは杞憂で,昨日破壊されていた店は営業しているし,シャンゼリゼ通り中にばら撒かれたゴミは綺麗に片付けられているし,警察は全然いないし,本来の姿に近い夜の凱旋門を眺められた。1日でこうも変わるのかとひたすら驚く。ただやはりトラウマは消えないから足早に撤退。エッフェル塔を目指して別の地下鉄に乗る。

 地上に出るとすぐにエッフェル塔が見えてくる。夜のエッフェル塔を見ると不思議とパリに来た感じがするものだ。東京タワーに似ている,正確には逆だけれど,プロポーションに東京タワーから赤みを取り去ったような色。周りの高層ビル群も取り去ったらエッフェル塔になるかな。8時丁度の特別なライトアップに見惚れながら写真撮影。残念ながら著作権の関係で夜間に撮った写真をアップロードすると罪に問われる可能性があるとか。

 ブラジル人と写真を撮りあって,セーヌ川を渡ってエッフェル塔のすぐ近くへ。セーヌ川を吹く風の冷たかったことを思い出す。4度と書いてあったけれど,体感温度はそれ以下。日本は春を迎えようとしているだろうけれど,パリはまだ冬が続いている。

 もう一度セーヌ川を渡って今度は王宮からエッフェル塔を眺める。周りに高いビルがないこと,エッフェル塔が孤高の存在であるのがパリをパリたらしめている。パリの夜景を目に焼き付けて最後にルーブル美術館へ。

 昼にやってきたルーブル美術館だけれど,夜のルーブルもまた美しい。夜のピラミッド,そして夜の美術館の建物は目の保養になる。パリの夜を満喫して宿に戻る。東駅から徒歩で宿へ。東駅にも来ることが出来た。

ヨーロッパ周遊の旅(5) Day4 バルセロナからパリへ

はじめに

 2019年3月に2週間ほどかけてヨーロッパを旅したときの日記を公開しています。どんなルートか,詳しく知りたい方は次の記事を参考にしてください。 

ken51417d.hateblo.jp

 4日目は,バルセロナからパリへTGVで移動。余った体力でパリ散歩に出かけてみるものの,デモと鉢合わせして人生最大レベルの恐怖を感じた一日を綴ります。

バルセロナからTGVでパリへ移動

 バルセロナからパリへ移動する4日目。TGVの中で日記を書き進めよう。僕は今ベジエという駅を出たところで,次はモンペリエというところにいる。

 7時に起床。荷物をまとめて,水をペットボトルに入れてから朝ごはんへ。朝ごはんのついでに,共用スペースにある包丁を借りて昨日買ったバゲットを切っておく。8時を回る頃にチェックアウト。昨日も思ったけれど,ヨーロッパの朝は遅い。グラシア通り駅からレンフェでサンツ駅へ。いよいよTGVに乗る時がやってきた。

 サンツ駅でどうやって乗り換えれば良いかわからずにいると,駅員さんに助けてもらえた。トモダチとか言われるのは怪しさの極みだったけれど,なんとかパリ行きのホームへたどり着けた。飛行機とかサグラダファミリアより緩めの荷物検査を経てTGVの待合所へ。それから少し待って,切符をチェックされる。地下のホームにはTGVが。去年韓国で乗った車両にすごくよく似ている。外観を眺めたり写真を撮ったりしてから乗り込んで発車の時を待つ。どうやら逆向きに進みそう。6時間半耐えられるか少々心配であった。

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バルセロナから乗ったTGV

 時差ボケはだいぶ治ってきたと思いつつも急な眠気に襲われる。1000を過ぎた頃からしばし就寝。荷物を座席下にしまって取られないように祈る。目が覚めるとすでにバルセロナから50kmは移動したみたい。そこからTGVがかなりの本気を出してきた。290km/hくらいで走行してあっという間にフランスへ突入。シェンゲン協定内の国は本当にパスポートコントロールがないことに驚く。フランスに入ってからは速度を落としつつ,地中海を横目にひた走る。ところがこれは嘘で地中海が見えたのは一瞬。畑の中を今も走っているところ。これからパリまでどんな景色が待っているのか楽しみである。ちょうど正午を迎えた。

 その後もいくつかの駅に停まりながらゆっくり目の速度で走ること1時間半くらい,リヨン駅の近くのバレンス駅に到着。その駅名にアルプスという説明がつくように,遠くにはそれとなくアルプスを思わせるような山並みが見える。ここから列車は速度を上げて時速290キロを保つこと2時間。どこまでも続く芝生のような畑とか,うねりくねった畑とか,平べったい雲とかそんなものが永遠と続くような錯覚に陥る。久しぶりに雲を見たし,どこまでも続く緑はWindows XPのホーム画面さながら。相変わらず飛行機雲がよく見える。

 パリリヨン駅の手前10分くらいまでこんな光景が続いていた。少しずつ速度を落として,車両基地なんかが見えてくるとリヨン駅に到着。6分の早着。

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リヨン駅に到着


 やはりフランスに入って最初の駅,ペルピニャンで列車の増結をしていたようで,リヨン駅の人の数は半端ない。降りてくる人の山。オール2階建て20両なのだから当然といえば当然。やれやれ,フラン

スに来てしまった。

 スペインとは明らかに人種の構成が違うのが第一印象。黒人がやたらと多い。アジア人は相変わらず少ない。黒人と喧嘩したら絶対負けるよ,怖いなあとかぼやきつつ宿のあるパリ北駅を目指す。地下を走る国鉄に乗って行くのだが,切符を買うのが難関中の難関。機械がポンコツすぎてうまくいかない。現地人と思われる人々も失敗して,this is brokenとかいっていたから仕方なし。バルセロナからのTGVで出会った愛知の大学4年生3人組とあれこれ試してみる。30分くらい格闘したのちにようやく購入できた。

 とりあえずRERのホームに降りて列車を待つ。落書きは多いし,列車はなんだか薄暗いしパリの治安は大丈夫なのかといくらか不安になる。それでも列車はやってくるから乗り込んで2駅先の北駅へ。出口はどこなのかと探して愛知の大学生とはお別れ。僕は一人宿を目指す。北駅はユーロ

スターの発着駅のようで相当の混雑。駅前はタバコを売る人で溢れていて,治安が良いとは全くいえない状況。宿が駅のすぐ近くにあって助かった。

 宿に入ってチェックインできないか交渉。予約の番号を教えてもらって名前を書き換えてチェックイン。今日で一人旅は一旦終わりでしばらくは4人の旅行。寮のような部屋。最高。感情が昂ぶる。急に元気になってきたから,いらないものを置いて散歩に出かけることにする。

ノートルダム大聖堂凱旋門

 まずはノートルダム大聖堂へ。またRERに乗って2つ先の駅へ。やはり治安が悪い。地上に出るとイメージ通りのパリの街が広がっている。夕焼けのセーヌ川は本当に映える景色。パリのモノトーンの街並みによくマッチする。すぐに大聖堂らしき建物が見えてくる。iPhoneの調子が悪くてイライラしていたけれど,それでもパリの夕方の風に吹かれるのは幸せである。折角だから中にも入ってみる。ヨーロッパにあるこうした施設は無料で入れるのは珍しい。薄暗くて,天井が高くて,ちょっと燻っていて。神聖なオーラが伝わってくる。歌も合わさると宗教施設は本当に居心地が良い。また行きたいなと思っていたけれど,しばらく先になりそうなのが何とも残念でならない。

 さて,お次は凱旋門に向かうことにする。その前にマクドナルドで腹ごしらえ。

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パリのマクドナルド

700円くらい。日本と変わらない物価。ポテトがじゃがいもそのままの形をしていたのが違うところか。お初のメトロに乗って凱旋門の駅まで向かう。自動運転で,一個先の電車までよく見える。ゆりかもめみたい。と思ったらいきなり駅を通過し始めて困惑。目的地の駅まで通過してしまったので,仕方なく次の駅で降りる。恐らくだけれど,シャンゼリゼ通りの治安が悪すぎて駅も閉鎖されていたのだと思う。Argentina駅からオーシャンゼリゼーと鼻歌を歌いながら凱旋門へ。この時はアホみたいに陽気に歩いていた。凱旋門に着いたは良いものの,警察だらけで異様な緊張感。写真を撮っている人も全然いなくて気持ち悪さを感じるとどことなく爆発音が響いてくる。人生で1,2を争うレベルの怖さ。店は破壊の限りを尽くされているし,ゴミだらけだし,本当に怖い。

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デモの残骸

 走って逃げようにも信号が行く手を邪魔するし,駅に逃げ込もうにしても駅が存在しない。あったとしても営業外。仕方なく別の地下鉄の路線の駅まで逃げた。通り一つ挟めば平和な世界が広がっている。2号線に乗ってパリ北駅まで。相変わらずの治安の悪さでタバコを売りつけられるが,ガンになるから吸わないよ,と言って回避。謎に日本好きアピールをしてくる展開を見せられる。こういうときにスリに遭うのかも。気を付けなければ。ホテルに帰ってきて,日記を書くなどして今に至る。さて,明日はヴェルサイユ宮殿に向かうとしよう。

 

ヨーロッパ周遊の旅(4) Day3 バルセロナ②

はじめに

 2019年3月に2週間ほどかけてヨーロッパを旅したときの日記を公開しています。どんなルートか,詳しく知りたい方は次の記事を参考にしてください。 

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 3日目は,バルセロナに暮らした建築の巨匠,アントニガウディの作品を巡る1日となりました。早朝に目覚め,グエル公園サグラダファミリアに足を運び,その他バルセロナの見どころを回りました。

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朝は青のルートで,昼から赤のルートでバルセロナ市内を巡る旅へ。

時差ボケで4時半に起床 グエル公園

 流石に早く就寝しすぎたのか,4時半には目が覚めてしまう。もう一眠りしようとするも虚しく,ダラダラと時が過ぎるのを待つ。6時半を回る頃に用意を開始して,朝のグエル公園を目指すこととする。

 650に宿の外に出る。まだ薄暗い時間。太陽の気配を全く感じることのない朝の瞬間。昨日の日中はあんなに賑わっていたバルセロナの街であるが,人の気配が全然ない。ヨーロッパの朝は遅い。

 Passeig de Gracia駅から地下に入る。一日乗車券を€8.6で購入して,L3で4つ先のVallcarca駅まで。地下鉄はスリが多いと思ってガラガラの電車でやたらと警戒してみるが,よくよく考えれば人が全然いないのだからすられようもない。駅に着いてとりあえず地上へ。ここに来てようやく太陽の気配を感じる。建物に反射する陽の光が1日の始まりを告げる。地図を見ながら,適当な階段を見つけて登ることにした。見た感じ45度はあるだろうという坂道を僕は登っていく。登ること数分,眼下に見える自分が辿ってきた道がいい感じ。いい感じにヨーロッパの坂道の景色が広がっていた。別の方向に降りていく坂道を眺めてみると,はるか向こうには朝の光に輝く地中海が広がる。坂道の向こうに海が広がる景色はどこで見てもいいところなんだよな。

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朝のバルセロナの向こうに,地中海が顔を覗かせる。他に函館の八幡坂くらいしか知らないけれど,坂の向こうに見える海は結構好き。

 登ってみたは良いが,どこにグエル公園の入り口があるのか全然分からない。またもや適当な階段を上るとどうやらグエル公園には入れた模様。少し歩くと,視界がひらけて遠くバルセロナ市街を一望できる。朝の光に照らされるバルセロナ市街の美しかったこと。こんな景色を見ながらランニングしているスペインの人になってみたさがある。サグラダファミリアも見えるし,地中海まで一望できる。景色は良いけれど,肝心のグエル公園の有料ゾーンには入れない。

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 曲がりくねった道を適当に進むと,どこが有料ゾーンと無料ゾーンの境目なのかもよくわからず待ちわびたトカゲの噴水が見えてきた。これがガウディさんの作った公園か。ガウディ感の強いところ。朝だからか人も全然いないし,何より入場料も取られないし得した気分。トカゲはいい顔をしているし,空はどこまでも青い。素敵な空間。市場になる予定だったという柱の並ぶ空間を抜けて,階段でその空間の上に登ってみる。バルセロナの街並みが広がるのを楽しみに洒落たベンチを横目に先に進むと,何度も写真で見たような光景が。グエル公園の入り口の建物越しに見えるバルセロナの街。これですよ,見たかったのは。スペインに来ましたと胸を張って言える景色。お菓子の家と,ガウディの曲線。そしてバルセロナ。目に焼き付けようと努力して,写真を幾度と取る。朝無料なのは良いけれど,逆光になってしまうのは残念。またいつか来られるといいな。

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トカゲはいい顔をしているし,これぞバルセロナという景色に出会えた朝のひととき。

 時差ボケなのか早く起きすぎたからなのか,それとも気を使っているからか,何だか分からないけれど疲労を感じる。展望台に行くことは諦めて駅へ戻ることとする。ヨーロッパの朝の街並みを歩くのはとっても愉快。車が道沿いに等間隔に並んでいるのとか,坂道を降りるのとか,勝手にヨーロッパらしさを感じる時間だった。バルセロナの中心部とは違って,日本の街にもどこか似ているマンションの並ぶ通りを抜けてLesseps駅へ。地下鉄に3駅揺られて宿へ戻る。朝ごはんを多めにいただいて,しばし昼寝のようなことをして今に至る。丁度昼の12時。サグラダファミリアを見に行こう。パエリアを食べに行こう,地中海を見に行こう。

シエスタの後にいざサグラダファミリア

 昼寝,それをスペイン風に言えばシエスタの効果は抜群で足取りは軽く,意気揚々と街に繰り出す。いつもとは違う方,つまり山の方にグラシア通りを進む。太陽と情熱の国というだけあって,日本にいる時以上に眩しい日差しが燦々と降り注いでいる。少し歩くとカサミラが右手に見えてくる。これもガウディの建築か,というくらい。中の方が見所だよ,みたいな表示があったけれど,興味がそこまであるわけでもないから€20も払う気にはなれなかった。というわけで外を一通り見たらDiagonal駅へ。ここから地下鉄のL5線に乗って一気にサグラダファミリアへ。

 改札を出て地上に出る。どこにサグラダファミリアがあるのだろうかと体を時計回りに一回転させるとすぐに巨大なサグラダファミリアが目に入る。体が芯から震えるのを感じた。建物を見て体が震えるなんて初めての経験。ずっと前から,本当にと言ったら嘘くさいけれど,いつか来てみたいと思ってきた場所だけに喜びは一入。

 まだ入場まで15分くらいあったので,とりあえず外観の写真を収めることにする。隣の公園の池越しにサグラダファミリアを眺めてみる。いやはや大きい。この時はまだ気づいていなかったのだが,公園から見えているのは生誕のファサードだけでメインの塔は完成していない。このファサードだけでも見応え十分。飛行機を目前にしたときのようなイメージと実物のサイズ感の相違を感じた。

 13時を迎えたのでとりあえず入場。チケットを軽くチェックされてから空港さながらの荷物検査。そしてQRコードをスキャンして入場。近くから見ると,あらゆるところに細かな装飾が施されているのがわかる。サグラダファミリアという文字もある。賞賛を集めるのはこういう小さな拘りによるものなのか。よく見ると木があったり,そこに鳩がとまっていたり。芸が細かい。

 まずはオーディオガイドをレンタル。オーディオガイドなんていらないから安くしろよ,というのが普段思うところであるが,サグラダファミリアに関しては期待以上のものを提供してくれた。僕には十分すぎる説明のおかげで存分に楽しめた。きっとネットを調べれば解説はいくらでも出てくるだろうから詳しいことは割愛しよう。

 そしていよいよ生誕のファサードの中へ。€1必要なロッカーだったけれども持っていなかったからなんとか貸してもらう。優しい。カメラ以外のものを預けてエレベーターで50mまで一気に上昇。そこから階段を10mほど登る。高所恐怖症を克服した気がしたものの,全く克服できていなかったよう。ひどく足元が震える。日本と違って周りの建物の高さが低いことも高所恐怖症を引き起こすトリガーになっていると思う。塔と塔の間の橋を渡るときの不安はもう味わいたくない。しかしながら,バルセロナの街並みはここからもよく見えた。地中海まではっきり見える。100年近く前にとんでもないものを作ったという一言に尽きる。写真をいくらか撮って階段を降りる。音を響かせるための穴がまた窓として光を取り入れる口として機能しているわけだが,そこから見える眼下の世界が怖いこと。相変わらず景色は綺麗。赤茶色を基調とした建物と真っ青な地中海が映える。そんな景色に見ほれつつ怖がりつつ階段を下っていると写真撮ってくれませんか,と日本語で話しかけられる。聞いてみれば大阪大学に留学していたタイ人とのこと。日本人だってバレるのか。タイ人,大阪大学と何かしら縁のある3月。談笑しながら無事に階段を下り終える。一安心。

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サグラダファミリアの塔に登ってみるバルセロナもまた美しい。

 生誕のファサードに行く際にすでに少し目にしていたのだが,サグラダファミリアは内装も外観と同じ,あるいはそれ以上の見どころ。やたらと天井が高く開放的で,柱は森を思わせる作りで,何よりステンドグラスから差し込む朝をイメージした光だったり,夕方をイメージした光だったりが柔らかな明かりをもたらす。昔九份に行ったときにこんなにいい観光地はないと思った記憶があるが,サグラダファミリアに関しても同じものを感じた。ガイドブックの解説が裏切らない観光地,ガイドブックの解説以上の観光地。ここで一生を終えることができたら幸せだろうな,なんてことを考えて,写真を撮って。2026年に完成したらまた来ることを誓って,ずっとサグラダファミリアに居たい気持ちにケリをつける。荘厳とか,そんな言葉では表せないくらいに気に入ったサグラダファミリアであった。

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 空腹に始まる気だるさに襲われたので,遅めの昼ご飯を探してしばし散歩。1人用のパエリアが食べられるというCastell de Xativaに向かう。扉を開けてみると,少し高級感のあるレストランで物価に耐えられるかビビりながらの入店。同じ店の中に日本人らしき人を発見。Japanese?と聞かれて日本語のメニューを渡される。日本人が多く来るみたい。オススメの中にあったシーフードパエリアと水を注文。2日に1回くらいは値段を気にせず食事を楽しんだって良いだろう。しばらくして着丼。ようやくスペインでスペインの料理を楽しめる幸せ。熱いかなと思って注意して口に運ぶと,噛めば噛むほど美味しさが広がる。これがスペインのパエリアか。地中海の魚は少ないらしいけれど,きっと大西洋から来た魚介はいい味がする。水を飲みつつ少し休憩して,4時ごろ出発。サンパウ病院の外観を見に行くことをする。

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本場スペインでパエリアを食す。

 案外近くにあった地下鉄の駅からまた乗り込んで,今度はサグラダファミリア駅を通り過ぎてSao Pau駅まで。少し歩くと病院が見えてくる。これが100年くらい前のヨーロッパスタイルの病院か。入るかどうかかなり迷ったけれど,また医者になってからバルセロナに来ることにして,そのときに訪れてみることにしよう。

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 サグラダファミリアへの憧憬が尽きないから,サンパウ病院からサグラダファミリアまで歩いてみることにする。この道はバルセロナの碁盤の目を綺麗に斜めに横切っている。斜めであることは良いのだが,直角の道との交差点がいちいち面倒。2回横断歩道を渡らなければいけないし。少し詳しくなったサグラダファミリアをじっと見ながら歩いていく。案外サグラダファミリアは近くて,すぐにお別れ。またまた地下鉄に乗って今度はバルセロネータを目指す。

 バルセロネータから海までの距離は思ったよりも遠い。ヨーロッパのリゾート感の強いところを歩いて行って,適当なところで左に曲がる。左に海があるから左に曲がっただけなのだが,そこには僕のイメージしていたヨーロッパの街並みが広がっていた。しかもそんな街の先には海が見える。海を目指して歩くとそこにもまたイメージ通りのヨーロッパの海が広がっていた。海はまだ寒そうだけれど,砂浜で遊ぶのは気持ち良さそう。とはいえ一人だし,何も海で遊ぶ道具は持っていないから撤退。アジア人が一人で入り込むのはちょっと難しそう。東南アジアの海が綺麗なところに行くのが良い。

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 そのままホテルに帰ってしまうのも勿体ないから,近くにあるコロンブスの塔を最後に見ていくことにする。バスにも乗ってみたかったから,バスで行こうとしてみるがなんだかんだ2本もバスを見送る羽目に。バス停の目の前で工事があったから仕方ない。初めは日本の左側通行に慣れていたせいで,反対側のバス停でバスを待って失敗。2本目は工事のせいで通過されてしまい失敗。仕方ないから次のバス停まで歩く。乗り方は全くわからなかったけれど,運転士さんの後ろの機械に切符を突っ込んでなんとか乗車。2両編成のバスに乗るのは初めてのこと。カーブをよく曲がれるなとついつい感心してしまう。いつの間にかバス専用レーンに入っていて,コロンブスの塔をめがけて爆走。目的のバス停でどうにか下車。コロンブスの塔は目の前にあった。コロンブススペイン人説は本当なのかわからないし,指差す方向もアメリカではないらしい。海を指差しているけれど。よくわからないから,写真だけ撮って退散。

 あとはホテルに帰るだけ。近くにスーパーはなかったから,ホテル近くのスーパーに行くことにして別のバスに乗る。昨日歩いたランブラス通りを通るバス。カタルーニャ広場で左に曲がってそのあとすぐ右に曲がってホテルへ。V13とかいうバスだった。下車してスーパーへ。ホテルの周りを散歩するのも面白い。グラシア通り駅からの街とは似て非なる景色が広がっていた。

 スーパーで翌日のTGVの中と夜の主食としてバゲット,スペインのハムを楽しみたいからサラミと生ハム,昨日と同じく巨大なサラダ,あとは甘いものを欲してヨーグルト飲料を購入。スーパーをうまく利用しないとやっていられない。

 部屋に帰ってきて,まずは夜ご飯。写真を整理して,日記を少し書いて,ダラダラして。11時には就寝。

ヨーロッパ周遊の旅(3) Day2 バルセロナ①

はじめに

 2019年3月に2週間ほどかけてヨーロッパを旅したときの日記を公開しています。どんなルートか,詳しく知りたい方は次の記事を参考にしてください。 

ken51417d.hateblo.jp

 2日目は,北京からバルセロナまで移動し,時差ボケと戦いながらバルセロナの街を散策しました。カタルーニャ音楽堂,ゴシック地区,ラブランス通り等を見てきました。

北京からバルセロナへ 中国国際航空CA845便

 バルセロナ1日目を終えて,日本時間ではそろそろ3日目の朝3時を迎えようとしている頃,今日の振り返りをしておきたい。

 今朝北京を発って来たことの実感が全くない。2時45分くらいにE57ゲートに向かうと既にある程度の長さの列が。チェックインの時点ではガラガラの飛行機だったから,何故こんなにも人がいるのか驚く。隣に人がいるのが確定なレベルで人がいるのが少々辛い。僕は事前に座席指定できるチケットを持っていたけれど,そうでないチケットを持っていた人も多かったのだろうか。バスに乗り込んで沖留めの飛行機まで向かう。さっきの少年少女の集団はどうもバルセロナまで一緒に行くようである。バルセロナに集団で行くくらいだし,サッカーチームなのか。

 乗り込むと隣の席には先客が。仕方なし。ただそんなことを気にすることができないくらいの睡魔に襲われたからすぐに眠ることにする。北京までと同じA330だけれども,バルセロナ行きの方が新しいようでモニターもしっかりしている。映画も入っているみたいだし,地図も割と直感で操作できる。モニターが使える嬉しさに一安心するも,すぐに眠りに落ちてしまった。安全に関するビデオも無視して眠っていると急な振動で目が覚める。離陸の間は眠っていたかったのだが,叶わぬ夢だった。飛行機は好きだけれど,離陸は怖い。羽田を出たときの離陸がトラウマになった模様。

 それからはひたすら睡眠。全部で8時間くらいは眠った。1回目の機内食に気づかないくらいの深い睡眠。ただ所々目は覚めるわけで,地図を確認するとウランバートルバイカル湖ウラル山脈なんて文字が目に入ったような気がする。日本時間の朝8時くらいにギャレーに置いてあったクッキーを朝ごはんがわりに頂く。随分眠った気がするが,まだ全行程の1/3くらいしか終わってない。そのあとも眠り続け,ヨーロッパに入ったあたりで朝ごはん。Chinese styleを注文したらただのお粥が出て来た。

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中国国際航空の中華風朝ごはん

 中国の朝ごはんはこれが普通,いや普通以上なのかもしれないけれど,梅干しの一つでも入っていればいいのに,というのが正直な感想。雪を身に纏ったヨーロッパの山越しに見える朝の空,飛行機から見る特別な朝の空を見つつさらに睡眠。

 

 気付いた頃には着陸態勢に入るというアナウンス。眠ってばかりいたから12時間もあっという間だった。計画された都市であることを思わせるバルセロナの街並みを眺めつつのランディング。サグラダファミリアらしきものも見える。朝(日本時間ではもう午後3時を回ろうとする頃であるが)のヨーロッパの街並みを見て,この旅を楽しもう,楽しみたいという気持ちが一気に湧いてきた。

 見たこともない飛行機に囲まれるバルセロナエル・プラット空港バルセロナはスペインにあるからイベリア航空が多いイメージだったけれど,その傘下にあるブエリング航空の飛行機が多い。飛行機を降りてパスポートコントロールに向かって歩き出すと,初っ端から空港のデザインに驚かされるばかり。建物がものすごく整っているというか,ヨーロッパのセンスを感じさせる造り。ガラスを使うにしても日本とヨーロッパでどうしてこんなにも差が出るのだろうか。

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バルセロナエル・プラット空港にて

 まずはパスポートコントロール。Barcelonaの文字がくっきりと浮かぶスタンプを押してもらう。スペインにやって来た,バルセロナに来た。こんなに嬉しいことはない。バゲージクレームもPriorityと同じタイミングすぐに出て来た。珍しい。荷物を整理して,少し充電をして。税関を潜って街へ出る。北京空港で水を飲み干してしまったから自販機を見てみると3ユーロの文字が。高すぎる。空港価格であることを願って街に出ることにする。ATMで軽くお金を下ろして,いざバルセロナ市街へ。Renfeで行きたかったのだが,乗り場が見当たらない。言われるがままに緑色のバスでターミナル2に移動してその近くにあるRenfeの駅へ。ユーレールパスが使えた。得した気分。

 初ヨーロッパの電車はどんなものなのかとうかがいながらPasseig de Gracia駅までやって来て,バルセロナの宿へ。いざヨーロッパの街に出てみると,本当にヨーロッパにいるんだとようやく体の理解が追いついて来た。建物が完全にヨーロッパのそれ。なんだけれど宿に入ってしまうとヨーロッパの世界からは完全に隔離されて,これを書いている今でもヨーロッパにいる気は全くしない。何ならタイにでもいる気がする。

バルセロナの街中を散策①

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今日はこんなルートで

 タイのゲストハウスとは違って,今回の宿は簡単に見つかった。自分で古めかしい金属の網で出来た扉を開け閉めするスタイルのエレベーターを目にして,こんなに年季の入った建物で大丈夫なのかと不安になるが階段で上の階へ。レセプションがあるらしい扉を開けると陽気なスペイン人が対応してくれた。2時にならないとチェックインできないけれど,それまで荷物預かっているよ,というところまでは予想がついた。地図あげるよ,朝ごはん食べていっていいよ,スリに気をつけろとまで。おもてなしがすごい。

 宿の好意に甘えて,クロワッサンとミルク,オレンジジュース,ゆで卵とこの前のシンガポールと同じような朝ごはんをバルセロナでいただく。どこへ行こうかと地図を見ながら,しばし休憩。時差ボケがそんなにないとは言え疲れが溜まっているのは事実だから,カタルーニャ音楽堂まで散歩して,そこからゴシック地区と市場を通って2時過ぎに帰ってくるプランに決定。まずはカタルーニャ音楽堂を目指す。

 スマホを見ているとスリにあいそうだから,9割型地図を頭に叩き込んでからの出発。頭の中の地図を頼りに南東に向かってひたすら歩いて,信号を見計らって適当なところで北東に進む。途中でスーパーに寄って水を購入。500mLで€0.75。日本とそんなに変わらないようで安心。もう少し歩くと目の前に音楽堂が。助かった。€20で1100からの英語のツアーを申し込む。この時1040とかだったから本当に運が良い。どうせ時間が余っているだろう,という無計画でスローな旅も幸せ。

 カフェでしばらく時間を潰す。日本人が数人いるようで安心。本当にどこにでも日本人はいる。最初にリハーサルのホールで映像を見る。世界遺産であること,芸術の融合であることなどなど言われていた。芸術の融合とか言われても僕にはよくわからないから,早くステンドグラスを見たい。

 ようやく移動してステンドグラスの部屋へ。ステンドグラスのある位置は何となく予想がつくから,見えるか見えないかの瀬戸際で一旦呼吸を置いてからご対面。いや,これは綺麗です。息を飲む,という表現がぴったり。見たかったステンドグラスはこういう感じのもの。自然の光が差し込んで,天井が調和の取れた様々な色で輝いているような感じのステンドグラス。少し解説を聞いて,今度は3階へ。ここはここでステンドグラスが近く見えてよかった。そのあと1階に降りて,外側を少し見て今度はゴシック地区を目指して散歩。

 何気ない街中の風景も綺麗だよな,とぼちぼち写真を撮りつつ適当に歩いていると何やら教会のようなものが。海外で,いや,旅行先で教会を見つけたら入るようにしているのだが,なぜか足が重い。せっかく来たから入ろう,と全く逆の思考が働いて写真だけ撮って退散。タイ人に写真を撮ってくれと言われた。一人で旅しているらしい。10日前にバンコクに行ったよ,と言ったら喜んでいたっけ。

 そのあとはさらに直感でゴシック地区を進んでいく。ゴシック地区がどんな街なのかよく分からずに来てしまったが,ホテルのあるような場所と違って古さがより一層際立つ。少し影の目立つ路地裏が何とも言えない。バルセロナの街角に路地裏という語感が合わないけれど。雰囲気を楽しんでいるといきなりガタイの良い黒人に囲まれて,本能的に怖くなったからキョロキョロしながら足取りを早めて光の差し込む広場へ。偶然たどり着いたのがレイアール広場。YouTubeで見たことあるぞ,と思いながら周囲を一周。早足で歩いたからか,少し体が熱い。熱いけれど,ダウンを着ていても全く問題ないのがバルセロナの気候。バルセロナはおそらく地中海の気候で,本当に過ごしやすいところ。もちろん,中緯度の地域の春に旅行していることもあるだろうけれど,それにしてもバルセロナの気候には憧れる。朝は少し冷えるけれど,昼はどんな格好をしていても街を歩ける。ダウンでもいいし,半袖短パンでも構わない。面白い街というか,万能の街というか。タバコを吸う人が多いけれど,日本と違ってうざったさがない。そしてどこまでも青い空と太陽,飛行機雲がよく目立つ空。これくらいが初日のバルセロナの印象。

 レイアール広場からまた細い道を抜けて今度はランブラス通りへ。バルセロナの中心的なストリートだろうか。多くの人で賑わうけれど,日本と違って人と人の間隔が広い。体が大きいからだろうか。右に針路を取ってボケリア市場を目指す。途中にも多くの店が。そんな道を横目に進むだけでお腹が空いてくる。市場で昼ご飯とするか,それともどこかの店に入るか。一度ボケリア市場には足を運んだものの,ランブラス通りへ戻って道沿いのパスタ屋さんで昼ご飯をいただく。€5.9と書いてあったから安く食べられると思って入ったが,アーリオオーリオがその値段であって,それ以外は普通に高い。スペインでパスタ,という気持ちもあるが,別にイタリアで食べるのが良いわけでもないだろうと納得してみる。スペイン感を出そうと,名産であるはずのトマトと牛肉のパスタを注文。折角だからモッツアレラチーズを付けてみた。

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バルセロナでパスタを

すぐにやってくる。小さいことのみが少々不満。味はめちゃくちゃ美味しい。かみごたえのある太い麺に,本場のトマトが絡むと絶品。モッツァレラチーズもいい味を出している。完璧。スペインの飯は美味いと聞いてきたけれど,初っ端からいい昼ご飯に巡り会えた。

 気を取り直してボケリア市場へ。昼ご飯を食べたから,というのもあると思うけれど,時差ボケが少しきつい。いい加減眠くなってきた。市場はテレビでしかみたことがないスペイン感の強いところ。果物とか,野菜とか。そしてスペインらしいハムが所狭しと値段を示す数字とともに陳列されている。居るだけで元気になる空間。果物詰め合わせ€1.5とサラダ€3に心を惹かれて迷った末にサラダを注文。後からホテルの部屋で頂いたが,とんでもない量だった。一人で食べるものではない。生ハムも一度は食べたいところ。

 さて,市場を後にしてホテルへ向かう。疲れているし,夜は部屋でどうにかしよう。というわけで途中に見つけたスーパーに寄り道。今までと物価が全然違う。水も安いし,お菓子も安い。モンスターも€1.09とか。サンドイッチも日本の3倍はあろうかという量でユーロ1.7とかだったから即買い。チーズ入りのパンとか,バケットもとんでもなく安い。一つ下の肉のコーナーでもハムが安い。何か唐揚げのような惣菜があれば良いなと思って入ってみたが,そういうものはなくてハムとウインナーばかり。スーパーは貧乏ヨーロッパ旅の味方だと悟って,夜ご飯と夜食を€5分購入。

 カタルーニャ広場を見ながら歩くこと10分,宿へ到着。レストランが日本以上に多い気がする。道端にもテラス席みたいなところが多くあって,誰かしら平日の昼間だというのに酒を飲んで,肉を食って,ピザを食べている。この人たちは何をしているのだろうか,なんて思っていると宿に到着。スペインは失業率が高いんだっけ。チェックインして,この日はおしまい。まだ1430だというのに1日を終える。こんな旅もありだなと思う。スローでしかも短くて。バルセロナが小さい街ゆえになせる技だと思う。我が大学の周りの徒歩圏内で完結しているような街。

 明日どこに行こう,バルセロナはどんな街なのだろう,日記を書こう,写真を整理しよう,なんてことをしているとあっという間に18時を回る。夜食にスーパーで買ったサンドイッチとハムを食べてシャワーに入って就寝。何年振りかわからないレベルで1930には就寝。時差ボケがなくなることを願う。