After an escape journey

旅行好きの医学生が徒然なるままに旅行記を公開します

ヨーロッパ周遊の旅(3) Day2 バルセロナ①

はじめに

 2019年3月に2週間ほどかけてヨーロッパを旅したときの日記を公開しています。どんなルートか,詳しく知りたい方は次の記事を参考にしてください。 

ken51417d.hateblo.jp

 2日目は,北京からバルセロナまで移動し,時差ボケと戦いながらバルセロナの街を散策しました。カタルーニャ音楽堂,ゴシック地区,ラブランス通り等を見てきました。

北京からバルセロナへ 中国国際航空CA845便

 バルセロナ1日目を終えて,日本時間ではそろそろ3日目の朝3時を迎えようとしている頃,今日の振り返りをしておきたい。

 今朝北京を発って来たことの実感が全くない。2時45分くらいにE57ゲートに向かうと既にある程度の長さの列が。チェックインの時点ではガラガラの飛行機だったから,何故こんなにも人がいるのか驚く。隣に人がいるのが確定なレベルで人がいるのが少々辛い。僕は事前に座席指定できるチケットを持っていたけれど,そうでないチケットを持っていた人も多かったのだろうか。バスに乗り込んで沖留めの飛行機まで向かう。さっきの少年少女の集団はどうもバルセロナまで一緒に行くようである。バルセロナに集団で行くくらいだし,サッカーチームなのか。

 乗り込むと隣の席には先客が。仕方なし。ただそんなことを気にすることができないくらいの睡魔に襲われたからすぐに眠ることにする。北京までと同じA330だけれども,バルセロナ行きの方が新しいようでモニターもしっかりしている。映画も入っているみたいだし,地図も割と直感で操作できる。モニターが使える嬉しさに一安心するも,すぐに眠りに落ちてしまった。安全に関するビデオも無視して眠っていると急な振動で目が覚める。離陸の間は眠っていたかったのだが,叶わぬ夢だった。飛行機は好きだけれど,離陸は怖い。羽田を出たときの離陸がトラウマになった模様。

 それからはひたすら睡眠。全部で8時間くらいは眠った。1回目の機内食に気づかないくらいの深い睡眠。ただ所々目は覚めるわけで,地図を確認するとウランバートルバイカル湖ウラル山脈なんて文字が目に入ったような気がする。日本時間の朝8時くらいにギャレーに置いてあったクッキーを朝ごはんがわりに頂く。随分眠った気がするが,まだ全行程の1/3くらいしか終わってない。そのあとも眠り続け,ヨーロッパに入ったあたりで朝ごはん。Chinese styleを注文したらただのお粥が出て来た。

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中国国際航空の中華風朝ごはん

 中国の朝ごはんはこれが普通,いや普通以上なのかもしれないけれど,梅干しの一つでも入っていればいいのに,というのが正直な感想。雪を身に纏ったヨーロッパの山越しに見える朝の空,飛行機から見る特別な朝の空を見つつさらに睡眠。

 

 気付いた頃には着陸態勢に入るというアナウンス。眠ってばかりいたから12時間もあっという間だった。計画された都市であることを思わせるバルセロナの街並みを眺めつつのランディング。サグラダファミリアらしきものも見える。朝(日本時間ではもう午後3時を回ろうとする頃であるが)のヨーロッパの街並みを見て,この旅を楽しもう,楽しみたいという気持ちが一気に湧いてきた。

 見たこともない飛行機に囲まれるバルセロナエル・プラット空港バルセロナはスペインにあるからイベリア航空が多いイメージだったけれど,その傘下にあるブエリング航空の飛行機が多い。飛行機を降りてパスポートコントロールに向かって歩き出すと,初っ端から空港のデザインに驚かされるばかり。建物がものすごく整っているというか,ヨーロッパのセンスを感じさせる造り。ガラスを使うにしても日本とヨーロッパでどうしてこんなにも差が出るのだろうか。

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バルセロナエル・プラット空港にて

 まずはパスポートコントロール。Barcelonaの文字がくっきりと浮かぶスタンプを押してもらう。スペインにやって来た,バルセロナに来た。こんなに嬉しいことはない。バゲージクレームもPriorityと同じタイミングすぐに出て来た。珍しい。荷物を整理して,少し充電をして。税関を潜って街へ出る。北京空港で水を飲み干してしまったから自販機を見てみると3ユーロの文字が。高すぎる。空港価格であることを願って街に出ることにする。ATMで軽くお金を下ろして,いざバルセロナ市街へ。Renfeで行きたかったのだが,乗り場が見当たらない。言われるがままに緑色のバスでターミナル2に移動してその近くにあるRenfeの駅へ。ユーレールパスが使えた。得した気分。

 初ヨーロッパの電車はどんなものなのかとうかがいながらPasseig de Gracia駅までやって来て,バルセロナの宿へ。いざヨーロッパの街に出てみると,本当にヨーロッパにいるんだとようやく体の理解が追いついて来た。建物が完全にヨーロッパのそれ。なんだけれど宿に入ってしまうとヨーロッパの世界からは完全に隔離されて,これを書いている今でもヨーロッパにいる気は全くしない。何ならタイにでもいる気がする。

バルセロナの街中を散策①

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今日はこんなルートで

 タイのゲストハウスとは違って,今回の宿は簡単に見つかった。自分で古めかしい金属の網で出来た扉を開け閉めするスタイルのエレベーターを目にして,こんなに年季の入った建物で大丈夫なのかと不安になるが階段で上の階へ。レセプションがあるらしい扉を開けると陽気なスペイン人が対応してくれた。2時にならないとチェックインできないけれど,それまで荷物預かっているよ,というところまでは予想がついた。地図あげるよ,朝ごはん食べていっていいよ,スリに気をつけろとまで。おもてなしがすごい。

 宿の好意に甘えて,クロワッサンとミルク,オレンジジュース,ゆで卵とこの前のシンガポールと同じような朝ごはんをバルセロナでいただく。どこへ行こうかと地図を見ながら,しばし休憩。時差ボケがそんなにないとは言え疲れが溜まっているのは事実だから,カタルーニャ音楽堂まで散歩して,そこからゴシック地区と市場を通って2時過ぎに帰ってくるプランに決定。まずはカタルーニャ音楽堂を目指す。

 スマホを見ているとスリにあいそうだから,9割型地図を頭に叩き込んでからの出発。頭の中の地図を頼りに南東に向かってひたすら歩いて,信号を見計らって適当なところで北東に進む。途中でスーパーに寄って水を購入。500mLで€0.75。日本とそんなに変わらないようで安心。もう少し歩くと目の前に音楽堂が。助かった。€20で1100からの英語のツアーを申し込む。この時1040とかだったから本当に運が良い。どうせ時間が余っているだろう,という無計画でスローな旅も幸せ。

 カフェでしばらく時間を潰す。日本人が数人いるようで安心。本当にどこにでも日本人はいる。最初にリハーサルのホールで映像を見る。世界遺産であること,芸術の融合であることなどなど言われていた。芸術の融合とか言われても僕にはよくわからないから,早くステンドグラスを見たい。

 ようやく移動してステンドグラスの部屋へ。ステンドグラスのある位置は何となく予想がつくから,見えるか見えないかの瀬戸際で一旦呼吸を置いてからご対面。いや,これは綺麗です。息を飲む,という表現がぴったり。見たかったステンドグラスはこういう感じのもの。自然の光が差し込んで,天井が調和の取れた様々な色で輝いているような感じのステンドグラス。少し解説を聞いて,今度は3階へ。ここはここでステンドグラスが近く見えてよかった。そのあと1階に降りて,外側を少し見て今度はゴシック地区を目指して散歩。

 何気ない街中の風景も綺麗だよな,とぼちぼち写真を撮りつつ適当に歩いていると何やら教会のようなものが。海外で,いや,旅行先で教会を見つけたら入るようにしているのだが,なぜか足が重い。せっかく来たから入ろう,と全く逆の思考が働いて写真だけ撮って退散。タイ人に写真を撮ってくれと言われた。一人で旅しているらしい。10日前にバンコクに行ったよ,と言ったら喜んでいたっけ。

 そのあとはさらに直感でゴシック地区を進んでいく。ゴシック地区がどんな街なのかよく分からずに来てしまったが,ホテルのあるような場所と違って古さがより一層際立つ。少し影の目立つ路地裏が何とも言えない。バルセロナの街角に路地裏という語感が合わないけれど。雰囲気を楽しんでいるといきなりガタイの良い黒人に囲まれて,本能的に怖くなったからキョロキョロしながら足取りを早めて光の差し込む広場へ。偶然たどり着いたのがレイアール広場。YouTubeで見たことあるぞ,と思いながら周囲を一周。早足で歩いたからか,少し体が熱い。熱いけれど,ダウンを着ていても全く問題ないのがバルセロナの気候。バルセロナはおそらく地中海の気候で,本当に過ごしやすいところ。もちろん,中緯度の地域の春に旅行していることもあるだろうけれど,それにしてもバルセロナの気候には憧れる。朝は少し冷えるけれど,昼はどんな格好をしていても街を歩ける。ダウンでもいいし,半袖短パンでも構わない。面白い街というか,万能の街というか。タバコを吸う人が多いけれど,日本と違ってうざったさがない。そしてどこまでも青い空と太陽,飛行機雲がよく目立つ空。これくらいが初日のバルセロナの印象。

 レイアール広場からまた細い道を抜けて今度はランブラス通りへ。バルセロナの中心的なストリートだろうか。多くの人で賑わうけれど,日本と違って人と人の間隔が広い。体が大きいからだろうか。右に針路を取ってボケリア市場を目指す。途中にも多くの店が。そんな道を横目に進むだけでお腹が空いてくる。市場で昼ご飯とするか,それともどこかの店に入るか。一度ボケリア市場には足を運んだものの,ランブラス通りへ戻って道沿いのパスタ屋さんで昼ご飯をいただく。€5.9と書いてあったから安く食べられると思って入ったが,アーリオオーリオがその値段であって,それ以外は普通に高い。スペインでパスタ,という気持ちもあるが,別にイタリアで食べるのが良いわけでもないだろうと納得してみる。スペイン感を出そうと,名産であるはずのトマトと牛肉のパスタを注文。折角だからモッツアレラチーズを付けてみた。

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バルセロナでパスタを

すぐにやってくる。小さいことのみが少々不満。味はめちゃくちゃ美味しい。かみごたえのある太い麺に,本場のトマトが絡むと絶品。モッツァレラチーズもいい味を出している。完璧。スペインの飯は美味いと聞いてきたけれど,初っ端からいい昼ご飯に巡り会えた。

 気を取り直してボケリア市場へ。昼ご飯を食べたから,というのもあると思うけれど,時差ボケが少しきつい。いい加減眠くなってきた。市場はテレビでしかみたことがないスペイン感の強いところ。果物とか,野菜とか。そしてスペインらしいハムが所狭しと値段を示す数字とともに陳列されている。居るだけで元気になる空間。果物詰め合わせ€1.5とサラダ€3に心を惹かれて迷った末にサラダを注文。後からホテルの部屋で頂いたが,とんでもない量だった。一人で食べるものではない。生ハムも一度は食べたいところ。

 さて,市場を後にしてホテルへ向かう。疲れているし,夜は部屋でどうにかしよう。というわけで途中に見つけたスーパーに寄り道。今までと物価が全然違う。水も安いし,お菓子も安い。モンスターも€1.09とか。サンドイッチも日本の3倍はあろうかという量でユーロ1.7とかだったから即買い。チーズ入りのパンとか,バケットもとんでもなく安い。一つ下の肉のコーナーでもハムが安い。何か唐揚げのような惣菜があれば良いなと思って入ってみたが,そういうものはなくてハムとウインナーばかり。スーパーは貧乏ヨーロッパ旅の味方だと悟って,夜ご飯と夜食を€5分購入。

 カタルーニャ広場を見ながら歩くこと10分,宿へ到着。レストランが日本以上に多い気がする。道端にもテラス席みたいなところが多くあって,誰かしら平日の昼間だというのに酒を飲んで,肉を食って,ピザを食べている。この人たちは何をしているのだろうか,なんて思っていると宿に到着。スペインは失業率が高いんだっけ。チェックインして,この日はおしまい。まだ1430だというのに1日を終える。こんな旅もありだなと思う。スローでしかも短くて。バルセロナが小さい街ゆえになせる技だと思う。我が大学の周りの徒歩圏内で完結しているような街。

 明日どこに行こう,バルセロナはどんな街なのだろう,日記を書こう,写真を整理しよう,なんてことをしているとあっという間に18時を回る。夜食にスーパーで買ったサンドイッチとハムを食べてシャワーに入って就寝。何年振りかわからないレベルで1930には就寝。時差ボケがなくなることを願う。